市電と文化

 法学部が法学カフェをはじめて、第1回に上田市長を呼んで札幌の市電を発展させる内容の話をしたらしい。北海学園大学は地下鉄の駅が構内にある全国でも珍しい大学で、特に冬は便利です。市電が冬にラッセル車を走らせるのは絵になりますが、雪国では地下鉄は便利。しかし地下を走る電車は目的地へ向かうための効率のいい道具にしか過ぎない。
 それに比べて市電は町の風景を見ながら、それ自体が風景の一部となる。数年前に長崎に4,5日滞在したが、安くて便利で長崎の人たちの好意にも触れる事ができた市電はよかった。長崎へは薬学の学会に出席するかみさんの父親にかみさんともども同行した私的な旅だったが、長崎ちゃんぽんの再評価?も含めて楽しく有意義な旅だった。中華街の「康楽」(かんろ)に4日も通い続けました。
 さて建設に巨額の費用がかかる地下鉄に比べて、市電は路線の延長も市の財政に負担をかけず、お年寄りも簡単に利用ができる。ニューヨークでも南北の移動は地下鉄で、東西はバスと使い分けて、確かにバスの方が待ちの風景を楽しめた。地下鉄は効率がいい乗り物だけれど、地上に出てくるとほっとするという事は、不自然な時間と空間なのでしょうね。今日もこれからバスと、地下鉄を乗り継いで、大学まで行き、そこから友人の車で移動しますが。