空で聞くマリア・セルバンテス

 今回飛行機で聞いた曲で印象に残ったのでは、ティト・プエンテの「マリア・セルバンテス」。ラテンのビッグ・バンドの雄ティト・プエンテがヴィヴラフォーンで奏でるノロ・モラレス作曲のこの曲はメロディの美しさと、パーカーッションのビートが聞いてて楽しい。
 http://www.youtube.com/watch?v=ag9bvnEj2OQ&feature=related
 日本でマンボと言うとペレス・プラードサビア・クガート楽団が有名だが、ラテン音楽やマンボを世界的に有名にしたのは、このプエルト・リカンの親を持つニューヨーク生まれのティト・プエンテです。晩年「ブルー・ノート東京」でモンゴ・サンタマリアを迎えてこの「マリア・セルバンテス」を演奏したらしい。
 作曲者のノロ・モラレスはプエルト・リコに生まれ、ニューヨークに出てきて、ティト・プエンテやチャノ・ポゾと共演する。チャノ・ポゾはキューバ生まれで、ディジー・ガレスピーが共演した事で有名。
 同じキューバ生まれのモンゴ・サンタマリアは有名になる前のチック・コリアやヒューバート・ローズ(黒人フルート奏者)がレコードで共演する。
 ジャズはラテン音楽の一種だと言われるくらいラテンのリズムとは縁が深いが、60年代はカル・ジェイダ―(ヴィヴラフォーン)やハービー・マンがラテン色の濃いアルバムを多く出しています。
 60〜70年代はアルゼンチン生まれのガトー・バルビエリ、80〜90年代はピアノのミシェル・カミロドミニカ共和国)やゴンザロ・ルバルカバ(キューバ)がいる。
90年代後半ライ。クーダーがキューバのベテラン・ミュージシャンを集めてプロデュースした「ブエナ・ヴィスタ・ソシアル・クラブ」が世界的にキューバ音楽が再評価されるきっかけになった。ヴィム・ヴェンダーズが同名のドキュメンタリー映画を監督しこれもヒットした。最後に言及したいのはニューヨーク生まれの音楽家キップ・ハンラハンがプロデュースした『ディープ・ルンバ』で、これは音ととしても、現代的なラテン音楽の解釈としても面白い。