Swinging London

3年の演習で1950年代のアメリカ文化に関するエッセイを読んでいたら関連して「スウィンギング・ロンドン」という表現が出てきた。最近触れたマイケル・ケインの経歴と重なっています。アメリカに続いて第2次大戦後の復興を遂げたヨーロッパ、イギリス。そのイギリスの中心ロンドンでは、華やかな若者文化が栄えたんですが、50年代末から登場した「モッズ」(Modernsを略したMods)と一部重なりつつ、ファッション・音楽・映画などを中心としてロンドンを席巻しました。
 音楽ではビートルズを筆頭に、ストーンズキンクス、フー、スモール・フェイスなど。
 ファッションはデザイナーのメアリー・クアントがはじめて、ツィッギーで有名なミニ・スカート。細身の男性ジャケット(エドワーズ・ルックともいいましたっけ)、そして、スクーター。ロンドンではバイクよりもスクーターが似合うような。ミュージシャンもそうだけどイギリスの若者のヘアスタイルってアメリカとは明らかに違うんですよね。初期のビートルズのスーツ、やミリタリー・ジャケット風もモッズ・ファッションでしたね。ツィッギーと並んで、ジーン・シュリンプトンという長身・美形のモデルも有名でした。
 そして映画ではアントニオーニの『欲望』(Blowup 、1966), デビッド・ヘミングス、バネッサ・レッドグレイブ主演。ジュリー・クリスティ主演の『ダーリン』(Darling 、1965)。監督のジョン・シュレジンジャーは自作の『遥か群衆を離れて』(1967、トマス・ハーディ原作)でもジュリー・クリスティを起用し、アメリカで『真夜中のカーボーイ』(1968)を撮ります。 リタ・トゥシンハム主演の『ナック』(The Knack …and How to Get It 、1965)。 マイケル・ケインの『アルフィー』(Alfie 、1966)。バネッサの妹リン・レッドグレイブ主演の『ジョージ―・ガール』( Georgy Girl 、1966), シーカーズのタイトル曲でも知られています。そしてマルカム・マクダウエル主演の『イフ』( if.... 、1968) 。
 僕はロックは、ブルースを中心とした泥臭いアメリカン・ロックが好きなんですが、映画は暗さのある、屈折したイギリスの方が好きです、前にも言いましたけれど。
 『ナック』の写真手前のマイケル・クロフォードは『ローマで起こった奇妙な出来事』や『ハロー・ドーリー』などミュージカルの映画化に主演していたイギリスの舞台俳優ですが、顔と言い服装と言い典型的なイギリス人ですね。そして女優のリタ・トゥシンハムはトニー・リチャードソン監督の『蜜の味』( A Taste of Honey 、1961)、エドナ・オブライエン原作の『みどりの瞳 』Girl with Green Eyes、1964)の後、『ナック』、そして『ドクトル・ジバゴ』(Doctor Zhivago 、1965)にもでていました。このような個性的な風貌もイギリスならでは言えますか。『みどりの瞳 』ではリン・レッドグレイブと共演していますが、マイケル・ケインの自伝では、この二人が壮烈なつかみ合いの喧嘩をした事件が書かれていました。