ロンドンの下町から

 マイケル・ケインの自伝The Elephant to Hollywoodがやっと届いた。面白いです。『キネ旬』のコラムに4回続けて紹介されていました。『国際諜報局』(1965)や『アルフィー』(1966)で有名になり、ハリウッドに呼ばれて、様々なスタート交流します。『王になりたかった男』など尊敬する監督ジョン・ヒューストンや、ちょっと予想外のジョン・ウェインとの交流がとても興味深いです。
 タイトルのエレファントはロンドンの下町の地名で、『探偵スルース』で共演したローレンス・オリビエは最高の俳優だが、自分はエレファント出身の一番優れた俳優だと自負しています。
 『国際諜報局』、『パーマーの危機脱出』 (1966)、『10億ドルの頭脳』 (1967)と続いたハリー・パーマーのシリーズはマイケル・ケインを有名にした黒縁メガネをかけたスパイで、同時代のジェームズ・ボンドと対極をなすキャラクターですが、ボンドのショーン・コネリーと公私にわたって親しいというのも楽しいエピソードでした。
 しかもこのハリー・パーマーは30年後の1995年に『国際諜報員ハリー・パーマー/Wスパイ』 と『国際諜報員ハリー・パーマー/三重取引』という続編が作られていました。もちろん主演はマイケル・ケインで、ショーン・コネリーの息子も共演と言うおまけ?つきです。
 この自伝が面白いのは、マイケル・ケインが出演作を選ばないので本数が多く、当然交流するスターも多彩、かつ語り口がユーモラスで、人柄と頭の良さがにじみ出ているので、読後感もいいです。今日大学教育学会で東京に出張ですが、ペーパーで400頁もあるのでけっこう厚いこの本を持って行こうか迷っています。
 因みに『ゲット・カーター』についてもこのブログでふれていました。もう一つイギリスの俳優って、知っている範囲ではドラッグをやらず、お酒飲みが結構多いでの、その点も好感が?持てます。