長く構える

 『武士道シックスティーン』+『セブンティーン』の西萩(甲本)早苗は、中学から剣道を始めたノンシャランな剣道少女だけれど、「長く構える」という、小手先の技を使わず、相手と間合いを詰めず、同時に引かないで、できるだけ長く構えて相手の全体を見極めようとする。
 この長く構えるというのは、実に60近いおじさんにも必要な心構えで、ぼくは自分のメモに「すぐに動かない事」、「すぐに対応しない事」と書いて自戒としています。けっこうすぐに対応して失敗する事が多い。自分の勘違いだったり、事情が変わったりして、少しだけ様子を見ていた方がよかった例があります。
 自分では事務的な処理はまあできると思っているのですが、とにかくすぐ動いてしまう。考えてみると荷物をすぐ下ろしてしまいたいのだと。もう少しだけ背負って、その荷物の重さや内容を考えてから、下ろせばいいのに、やみくもに下ろそうとして失敗する。
 そんな僕に早苗さんの「長く構える」という心構えはとても参考になります。
 『武士道シックスティーン』+『セブンティーン』を2回づつ読んで、『エイティーン』が届くのを心待ちにしています。