日本のWoman Warrior

誉田哲也(ほんだてつや)の『武士道シンックスティーン』(文春文庫)がとても面白いです。月曜日ジュンク堂で買ったのは、その小説の映画化の紹介をキネ旬で見ていてそのスチル写真に興味を覚えていたからでした。青春映画にジャズや俳句など今までと違ったテーマ(+恋愛)を引っ張り出してくる映画がありましたので、この剣道を扱う映画は、ちゃらちゃらした若者とは異なる若者像を提示する可能性がありそう。
 それで店頭で買ったのですが、これが面白くて翌日(昨日)『武士道セブンティーン』を買い、さらにまだ文庫化していない『武士道エイティーン」もアマゾンに注文してしまいました。これは時間があればゆっくり語りたいのですが出勤時間が迫っているので手短に。
 まず一つの魅力は女子高生と武士道というミスマッチでしょう。それと新免武蔵を心の師とする剣道一筋の少女と、ノンシャランとしたでも運動能力のある少女との、ほんの少しだけレズ的部分も含めた、対立から始まる友情物語がいいのだと思います。それと青春小説に不可欠の成長、そして別れ、そして再会、という基本アイテムがとてもうまく構成されていて、作者はずいぶんと上手い書き手だと思いましたね。あ、それと語り手として二人の少女が交互に登場するのも、視点が単純化されなくていい。
 アマゾンから発送しましたと言うメールが来たので、今日の午後か明日にでも高校3年の磯山香織と甲本早苗に会う事ができる。いや西荻早苗か。この早苗の複数の苗字が河本という間違いも含めて、早苗のアイデンティティーの問題と微妙に絡んでいそうな気がするのは、中途半端な文学研究者の深読みだろうか。作者に聞いてみたいような気もする。