俳優と児童文学者

 朝コーヒーを飲みながら、何となくテレビを見ていると『50歳の恋愛白書』をやっていました。こので出しも何回も使っていますのでおそらく予想が付くと思うのですが、映画そのものや主演の俳優に話は流れて行かない。映画は以前に触れた女優のレベッカ・ミラーが監督。レベッカ・ミラーはアーサー・ミラーの娘で、ダニエル・デイ・ルイスの妻(なんだろうか)。
 ストーリーは50歳のなろうとしている女性(ロビン・ライト・ペン)が、若い頃の奔放な時代を振り返りつつ、現在の年上の夫(アラン・アーキン)の不実な行為を知り、年下の男性(キアヌー・リーブス)との愛に生きようとする、よくある中年女性の再生、再スタートの物語です。キャストが比較的豪華で先の3人に、ジュリアン・ムーア、ウイノナ・ライダー、ブレイク・ライブリー(テレビ・ドラマ『ゴシップ・ガール』でブレイクした若手スター)など。
 ここまで結構引っ張ってきましたけれど、取り上げたいのはアラン・アーキンです。印象に残っているのは『暗くなるまで待って』(1967)で盲目のオードリー・ヘップバーンを追い詰める殺し屋役と、カーソン・マッカラーズ原作の『愛すれど心さびしく』(1968)の聾唖者シンガー。その後『キャチ22』(1970)やピーター・フォークとの共演などをへて、2006年には『リトル・ミス・サインシャイン』のぶっ飛んだおじいさん役でアカデミー助演賞を受賞しています。
 さて最後になりますが、このアラン・アーキン、俳優だけでなく児童文学者としても有名で、『レミング物語』、『カウンセリング熊』など、アイデンティティー探しをテーマとする絵本らしく、翻訳でも復刊を期待する声が強いようです。