支部大会終わる

 12月18日(土)北星学園大学で第20回支部大会が開催されました。1部は伊藤支部長の司会でシンポジウム「LA文学表象について」。伊藤さんの趣旨やLAの年表などがはじめに。
 1番手の話し手は僕でした。原稿がないのでレジュメをもとに話す。バッド・シュルバーグの『何がサミーを走らせるか?』(1941)について、短編との比較、ユダヤ人としての主人公、彼の「走り続ける事へのオブセッション」、作品の時代による受容の違いなど25分ほど話す。終わった後しばらく動悸が続いた。
 次の藤井君はケルアック〜パワーズの作品におけるロード・ナラティブのなかでもLAについて語る。次の加藤さんはロス・ロボスなどチカーノ音楽におけるLAについて話す。ヒスパニック系の居住区バリオの映像など面白かった。最後は伊藤さんがナサニエル・ウェストの『いなごの日』とジョン・ファンテの『塵に訊け』について作品中のLAについての表現などについて話す。
 2部の特別講演は関西外語大学の丹羽隆昭先生。ホーソーン研究家だが車に詳しい先生。今回は『ライ麦畑』における車の意味ついて話してくれた。これは『クルマが語る人間模様―20世紀アメリカ古典小説再訪』(開文社)と同じ語り口で、しかしその本では触れなかった『ライ麦畑』を論じられた。たとえば冒頭ホールデンが兄のDBについて、4000ドルもするジャガーを買ったハリウッドの脚本家だが、その俗物ぶりを批判しているようで、車の最高速度を200マイル(実際は200キロ)という事で、ホールデンの虚言癖が示されるという、興味深いものでした。
 僕の発表は自分では60点くらいだと思っていたけれど、後からUさんがシンポジウムの発表って、発題ともいうように、話題提供的、問題提起的でいいのでは言われ、そうかなとも思い、少々ほっとする。でも伊藤さんから講師はみんな支部機関誌に書くように言われ、2月末までにまとめなくては。