Beatlesと三島由紀夫

 昨日の授業でBeatlesの"Penny Lane"を取り上げた。誰もが知っている曲だけれど、昨年学生が選んで発表した時にこのメロディーがしばらく耳に残っていた。この授業のもう1曲がGreen Dayの"21st Century Breakdown"という現代批判のヘビーな曲だったので、なおさら「ペニー・レイン」のノスタルジックでキュートな曲が心地よかった。歌詞に出てくる"fish and chips"は分かる学生もいるとして、イギリスのロータリーである"roundabout"や、戦没者を記念する"poppy" dayなどは、画像も含めて説明をしてみた。
 もちろん翌日の今日は 30年前にジョンが亡くなった日だ。ニューヨークのアパー・ウエストにあるダコタ・ハウスには入口まで行ってみました。『ローズマリーの赤ちゃん』のロケでも使われた由緒あるマンションの入り口でジョンは狂信的なファンという男に射殺されてしまった。この年は僕が修士課程を4年もかかって終了した翌年で、現在の大学に赴任した年でもある。今年勤続30年なので、ジョンの没後30年と符合してしまいます。
 またその10年前の、40年前の11月25日に三島由紀夫が亡くなっている。僕はちょうど浪人の時で予備校で友達が訃報を伝えてくれて本当に驚いた記憶がある。作家が政治的な行動を取る事に意味のあった時代だったが、三島の信奉する天皇制は政治というよりも、文化的な装置としての制度、もっと厳密にいうと彼の美学の中でとらえられた天皇制のように思われる。
 今日買った『週刊朝日』の対談では原武史という政治学によると、正田美智子さんと見合いをしたと言われる三島の自死は、今上天皇にも影響を与えたらしい。