アメリカの女優の系譜

 先週『ブルックリン横丁』を初めて観た。1945年のエリア・カザンの初監督作品。戦後の下町の貧しいけれど善意あふれる人々を描いた作品。あまりカザンの特徴は出ていないような気もするが、主演のドロシー・マクガイァ、後のやはりカザンの『紳士協定』(1947)にも出ています。どちらも少し狭量な人柄部分がある役で彼女顔立ちもそのような性格が出ているような。
 最近観た『ウエイトレス〜おいしい人生の作り方』(2006)、『奇跡のシンフォニー』(2007)のケリー・ラッセルの風貌もよく似ている。間に『酒とバラの日々』(1964)のリー・レミックを入れると、アメリカの女優の一つの典型が浮き上がるだろうか。このタイプはケネディ夫人のジャクリーンとも似ている。