中黒(・)と文節意識

「ゴールデン・スランバー」と「ゴールデンスランバー」、「ラッシュ・ライフ」と「ラッシュライフ」。
 最近、中黒または中点を入れない例が増えているように思える。元々は日本語の並列のための句読点だった。ここでも読点「、」と中黒の使い分けが問題になり、さらには横書きで多くなった現在、読点「、」と「コンマ」(,)と使い分けも気になる向きもある。僕はそこは気にならない。
 しかしこの辺りの句読点の使い方とその規則については、古くは文部省教科書局調査課国語調査室で作成したものや、多くの文章策作成技法などの本もありそうだ。また教科書的なルールから意識的に逸脱する作家やコピー(・)ライターの文章や、それをカッコ良いとおもって使ってしまう若者など、面白い。同時にその混乱にいらつく?事も。
 さて冒頭のテーマに戻ると、カタカナにおける中黒の不使用例が増えているような気がします。でもそれだとどこで区切って読んでいいか分からない。漢字と違ってカタカナは意味のない音だけの文字なので、区切りがないと、意味が分かる最小の単位の文節として機能しない。初見の言葉では中黒が文節の目印になるのだが。
 外来語の書き方の法則は、2語からなる複合語には「・」をつけないという事らしい。「ランチタイム」、「ウオーミングアップ」など。でも僕が気になるのは「オーラルコミュニケーション」など、カタカナの2語の複合語では意味が分かっても、長いものには「・」入れた方が美的にはいいような気がします。
 一昨日「北海道に植える樹木」という講座を聞いてきました。面白かったけれど樹木の名前が分からないものも多い。「エゾノウワミズミザクラ」は、「エゾノ・ウワズミ・ザクラ」としてくれると、「北海道の、湿った土壌に生える桜」という事が推測できるが、「「ヒロハノヘビノボラズ」はどうだろうか?、「ヒロハノ・ヘビノボラズ」と一つ点を打つと、「葉っぱの大きい、蛇が登らない木」と読みやすくなりそうです。講師は「蛇も上りますがね」と言ってました。