風景の発見

 絵画は宗教画〜歴史画〜肖像画〜風景画へと発展してきたようです。アメリカでは素人画家または日曜画家から専門の画家が出現するのは18世紀。でも最初の優れた画家がイギリスに渡って彼の地で評価されたのはいいのですが、英国王室アカデミーの会長になってしまったはいいのか悪いのか。ベンジャミン・ウエスト(1738-1820)です。
 彼の後に続く、ジョン・シングルトン・コプリー、ギルバート・スチュワート、ジョン・トランブルは、イギリス・ヨーロッパの影響を抜け出すような肖像画や歴史画を描いた。歴史画と言っても独立戦争を題材としたものですが。
 そして風景画への関心が始まるのですが、最初はトポグラフィカルな、地勢図的な風景画でした。そして最後に前に触れた「ハドソン・りヴァー・スクール」のような芸術的な風景が出現します。それもトマス・コールのようにリアリズムとアレゴリーが混在したものから、超越的な神秘的なロマンティックな風景画へと変貌していく。
 次世代のF・E・チャーチの細密画のようなリアルな風景や、ジョージ・イネスのようにアンティミスト的な、バルビゾン派に通ずるような、画家もいて、アメリカ的な風景の描写も多様である事がわかる。
 5セントの入場料を払い何千人も見に来たというチャーチの「ナイアガラ」