年齢差

 僕が初めて観たジェームズ・ステュアートは『シェナンドー河』(1965)あたりだから、今確認すると57歳で、今の僕と同じ年齢になる。ずいぶんとおじさんのように中学生には見えた。『裏窓』は1954年48歳。相手役のグレース・ケリーは25歳。違和感はあったかというと微妙ですね。あまりきちんと覚えていないので。
 しかし『真昼の決闘』(1952)は、グレース・ケリー23歳とゲーりー・クーパー51歳。これが新郎かと思えるほどおじさんだったが、何と今の僕よりも年下という言う事になる。慌てて付け加えると20代のゲーりー・クーパーは、何回か前のコラムの写真でも紹介したように長身・優美な二枚目だった。
 ハリウッド映画の主役の男性と相手役の女優の年齢差がけっこう気になっていました。この年齢差は男性は成熟していいが、女性は若い方がいいというハリウッド的年齢観によるものだろう。それがそのままアメリカ人一般の意識となるかどうかはまた別の話。
 30歳を過ぎたあたりで主演から脇役にされてしまうという女優の愚痴は時々耳にしていたが、女優のロザンナ・アークエットが監督したドキュメンタリー『デボラ・ウィンガーを探して』(2002)では、女優達が同様の事実に関して本音を語っていた。最近では少し状況が変わってきたような気もするけれど。