Domino Harveyの生き方

 若き女性のバウンティ・ハンター、ドミノ・ハーヴェイの自伝的映画『ドミノ』(2005)を見る。映画公開の直後ドミノは36歳で亡くなる。
 父親は1973年に45歳で亡くなったイギリスのローレンス・ハーヴェイ。『ロミオとジュリエット』(1954)、『年上の女』(1958)、『アラモ』(1960)、『バターフィールド8』(1960)、『影なき狙撃者』(1962)などがある。知的で繊細な二枚目俳優だった。
 ドミノが4歳の時に父親が亡くなり、元モデルの母親は金持ちの再婚相手を探す。ドミノはモデルをやめてバウンティ・ハンターという珍しい職業に就き、最後は麻薬の過剰摂取で亡くなる。
 バウンティ・ハンターというのは西部劇によく出てくる賞金稼ぎの事だけれど現代にもアメリカでは存在している。これはアメリカの「保釈保証人」制度の説明が最初に必要になるかも知れない。容疑者に保釈金を貸す商売がアメリカにはある。ネットを見ると日本にも同様の制度があるがほとんど使われていないようだ。この保証金を踏み倒して逃亡する犯罪者を捕まえて連行するのが現在のバウンティ・ハンターで西部劇のように"Dead or Alive"(生死を問わず)とはいかない。『ミッドナイト・ラン』でデ・ニーロが演じて有名です。
 ドミノを演じるのはキーナ・ナイトレイ。悪くはないが少し線が細いか。ベテランのバウンティ・ハンターをミッキー・ロークが貫録十分に演じる。しかし監督のトニー・スコットは例によってハレーションとショット数の多さで躁病的な映画にしてしまう。一見スタイリッシュでカッコいいが、何か落ち着かない映像で頭が痛くなってしまいます。デンゼル・ワシントンの『マイ・ボディガード』の時も同様。しかしドミノの生き方って立派とは言えないが凄いですね。
 本物のドミノ。名前はドミニク・サンダから取ったとか。