70年代の輝き:その2

 2枚目はLee Morgannの Last Recordingの冒頭の1曲 Capra Black 。少し若い世代のサックス奏者Billy Harpeの作曲。リー・モーガンって名門ジャズ・メッセンジャーに在籍した天才トランッぺーで32歳で愛人(恋人って言うと間違いなのだろうか)に銃で殺された悲劇の人でくくられる事が多いような気がする。
 ここでは後輩の黒人性を強く打ち出した曲を取りあげて、当時のスタイル(スピリチュアルな、ポストモダン的な)で演奏する。脳天気な天才と言うだけでなく、時代を意識した音楽家の一面を出した傑作だと思う。
1960年代から70年代にかけてのジャズの生産性?はすごかったと思う。公民権運動の影響を受けたニュー・ハードバップとも、スピチャル・ジャズとも、またはドロドロ・ジャズ(原田和典、『ジャズ批評』No.83)とも、ポストモダン・ジャズ(http://www.jin.hokkai-s-u.ac.jp/~honjo/music.html)とも、呼ぶ事ができる。
 ジャズの精神性と人種的特徴。それを表現するための熱く長いイントロとソロ。そこではモダン・ジャズの最終ステージともいえる、ポストモダン性が前景化する。