女流写真家の視線

 Tobacco Road(『タバコ・ロード』)で知られるErskin Caldwell(アースキン・コールドウェル、1903‐87)は1939年から1942年まで、写真家のMargarete Burk-White(マーガレット・バーク=ホワイト、1904‐71))と結婚しており、二人で写真集You Have Seen Their Faces(1937年)を共同制作している。
 マーガレット・バーク=ホワイトはアメリカを代表する女性写真家で、『ライフ』を舞台に報道・戦争・航空写真などで女性らしからぬジャンルの写真で有名。映画『ガンジー』でキャンディス・バーゲン(写真左)が演じていたのがマーガレット・バーク=ホワイト。
 右の写真はマーガレット・バーク=ホワイトが1936年ルイスビルの洪水の時の写真。カーティス・メイフィールドの1975年作There is No Place like America Todayのジャケット写真はこれをモチーフにしたもの。タイトルの意味は上部の家族でドライブを楽しんでいる白人にとって「アメリカほど素晴らしい国は他にないよ」となるし、下部の食料の配給を待って並んでいる黒人にとって「アメリカみたいなひどい国は他にないよ」なんでしょうね。