Do Not Go Gentle Into That Good Nightの朗読

これもMy back Pagesと同様、最終講義の準備の一環です。最後に「老い」についての英語の詩を紹介しようと考えて、その1つがディラン・トマスのDo Not Go Gentle Into That Good Night。40年前の学生時代に英文科の先輩に教えてもらいました。かっこいい詩だなと思っていました。
しかし今60代になって考えると老人が静かに退場してもいいと思います。詩人は30代の若い時に老年の生き方を考えたので、それは余計なお世話かなとも思いましたが、実は重病の床に就いていた父親に向かって書いたのでした。
でその朗読について、本人の朗読は声もいいし、うまいのですが、少しオーバーに聞こえます。詩人と同郷ウェールズ出身のリチャード・バートンもそこそこ。ジョナサン・プライスもまあまあ。映画『インターステラ―』(2014年)で有名になった時の、出演者マイケル・ケインもまあまあ。推薦できるのはアンソニー・ホプキンズ。いいです。本人の顔が写るバージョンよりは、失礼ながら『インターステラ―』の映像と音楽を背景のhttps://www.youtube.com/watch?v=ESWzPhZWYeIです。
演劇人の詩の朗読は少しは聞きますが、発声が朗々とし過ぎないで、普通の大きさの声のディクションというか、適度のため、でも演劇的になり過ぎない、そのバランスがいいです。意外でした。後は楽器と同じで、音というか中音域が太い方が、高音と低音も無理なく出る。また、昔はパブなんかでマイクもない朗唱していたのが、今はマイクがあるのでそれを意識しての発声の調節などのテクニックだろうか。マイケル・ケインは地声が細い。ジョナサン・プライスは聞き直すと第一印象よりはいいが、淡々とし過ぎている。
 難しいですね。適度の普通さと、適度の演劇性、つまるところはバランスか。でも元々の声の太さと強さがあって、それを調節しながら発声しなければいけない。
 最後にアンソニー・ホプキンズは、英詩の朗読の基本と言うか、メータ(韻律)に基づく強弱をきちんとつけているので、聞いていて心地よい。