コルトレーンの奥さん

スピリチュアル・ジャズについて、アリス・コルトレーンの名前を挙げた識者がいましたが、確かにお弟子さんのファラオ・サンダースに注目して、奥さんを忘れていたと思い当たりました。
 で、早速CDを買って聞きました。悪くない。でも僕の考えるスピリチュアル・ジャズとは異なるので、それについて少し。まず曲はスピリチュアルであるけれど、演奏がジャズから離れているような気がします。ヒーリング系の音楽になっているような。ただピアノ・トリオの演奏がブルースっぽいテモチーフをけっこうスピリチュアル風の演奏をしています。短いテーマを繰り返す。繰り返す中で次第に・・・
 全般的にはスピリチュアル・ジャズのせまい定義でいうと、少し違う。ちょっと間違うとヒーリング系の音楽にもなってしまう。つまり霊的というと静謐な雰囲気につなげて考える人が多いと思う。
例えばスピリチュアルを究極の「悟り」ではなく、「悟りに至る道」と考えると、ジャズ的なスピリチュアルというのは、その過程での葛藤(抗議や怒りも含めて)そして「悟り」に到達した喜び(祝祭的な)音楽と考えると、ファラオ・サンダースビリー・ハーパー、チコ・フリーマンのような黒人男性のジャズになる、かな。