就活と人文学

前項では、3年のゼミ生の人文学を学ぶ上での前提と言うか理論武装について書きましたが、就活に忙しい4年生についても同様の事があります。これも経済学部や法学部の必須科目や必読書のようなものが人文学部では希薄なので、就活で忙しい?学生が時間を取って学ぶに値するかどうかについて説明をしないと、「どうして今これをやっているの」という疑問がわくと思います。
 2011年のゼミの時に「どうして今こんなのを読まなければならないの」という態度をあからさまにする学生がいました。とするとそのように思っている学生はもっといるという事になります。ゼミ全体の雰囲気がいい時は、ゼミに来ること自体が楽しかったという卒業時のコメントもあります。それはゼミ仲間に会える事がうれしいという事でもありますが。
 いずれにしても人文学においては、これはどのような理由で読んでいるかを説明しながら進める必要があると思います。自分たちの時代のように勉強の目的を自分で考える時代ではないので、学生に向かっていちいち説明しないとだめなような。でもいま読んでいるティム・オブライエンの「レイニー川」は、アメリカの1960年代の物語で「アメリカ文化」と「1960年代」の復習とまとめとして、理由が明確にあるので、その事を時々説明しながら読み進んでいます。それと4年生でも英語ができない学生もいるので、英米文化学科の学生として英語のテキストを読み続ける意義もありますし。