チャーリー・ヘイデンのお婿さん

『ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して』(The Big Year、2011年)を観ました。見つけた野鳥の種類を競う大会「ザ・ビッグイヤー」に人生をかけるブラッド・ハリス(ジャック・ブラック)、ケニー・ボスティック(オーウェン・ウィルソン)、ステュ・プライスラー(スティーブ・マーティン)が主人公です。ケニーが優勝しますが、失くしたもの(たぶん奥さん)の意味を理解しているような表情でした。2位のブラッドは野鳥観察仲間の女性と結ばれます。4位になったステュは企業経営から引退し、孫と野鳥観察を楽しむようになります。
ジャック・ブラックは『エネミー・オブ・アメリカ』(1998)あたりから顔を憶えていましたが。2003年の『スクール・オブ・ロック』で主役に躍り出ました。もともとブラックは、コメディ・バンドのテネイシャスDで人気があったらしく、コメディ+音楽の二つを合体させた映画にはぴったりだった訳です。元気のない子供たちにロックを演奏させてはつらつとさせていく様子は、本人がギターを弾く場面も含めて、面白く説得力がありました。
そのジャック・ブラックが、好意を寄せる野鳥観察仲間エリーをラシダ・ジョーンズというチャーミングな女優が演じていたので、チェックするとあのクインシー・ジョーンズが父親でした。一般的にはマイケル・ジャクソンのアルバムをプロデュースした事で有名ですが、ジャズのアレンジャーであり、マーキュリーと言うレコード・レーベルの副社長になった事でも有名でした。たぶん黒人として初めて。
音楽絡みでは、ジャック・ブラックの奥さんはターニャ・ヘイデンというチェリストで、彼女のお父さんはジャズ・ベーシストのチャーリー・ヘイデンと知って驚きました。キース・ジャレットアメリカン・カルテットを札幌で見ましたが、キースのピアノにチャーリー・ヘイデンのベース、ドラムスはポール・モチアンで、サックスはデューイ・レッドマンでした。ステージでベースをぶんぶんと振り回しながら、演奏するチャーリー・ヘイデンオーネット・コールマンと共演したり、カーラ・ブレイとリベレーション・ミュージック・オーケストラを組織して、反戦などの政治的なメッセージと高い音楽性を共存させるようなアルバムも出しているミュージシャンです。僕のフェイバリット・ベーシストとではありませんが、スピリチュアルとも言っていいような高い音楽性と精神性を持った音楽家として敬意を持っています。グラミー賞での、ジャック(真ん中)とチャーリー(右)です。