同い年のベーシスト

 1970年代に札幌でマッコイ・タイナーのクアルテットを聞いた。サックスはエイゾー・ローレンス、ドラムスは覚えていない。そしてベースはアレックス・ブレイクだった。このベースは、マッコイがコルトレーン・バンドにいた時のベース、ジミー・ギャリソンのようにベースをギターの様に弾く人だった。左手で和音を抑え、右手でストロークをする。とても印象に残っていました。写真でもそんな様子が伺えます。
 見るとこの人もけっこう弦高(フレットと弦の間隔)が高い。昔のスコット・ラファロなど60年代のベーシストの前の世代(レイ・ブラウンなど)は、ステディな低音部を担当していたので、ブリッジ(駒)を高くして、小節のベース・ノートをブンブンと鳴らしていた。しかしインタープレイやソロが増えるようになると、音数も増え、高い弦高では左手でフレットを抑えて右手の2本の指(人差し指と中指)で弦を弾くのが難しくなる。それでブリッジを低くすると、今度は大きな音が出なくなって、ピックアップ(アンプ)に頼るようになり、相対的にベーシストの音の個性が減る事になった(ようです)。やっぱりベースは音の数よりも、一音鳴らした時の音の響き(ソノリティ)の豊かさが勝負のような気がします。それと安定したリズム感。その後で、ソロのコンポジションの個性とか出てくるんでしょう。
 いまポストモダン・ジャズと言うか、スピリチュアル・ジャズを調べていて、前述のファラオ・サンダースの加わったアレックス・ブレイク・カルテットのCDを購入。マンハッタンのニッティング・ファクトリーでのライブです。
 下のYouTubeにあるようにNow Is the Timeがとてもいいです。ピアノもお気に入りのジョン・ヒックス。
 http://www.youtube.com/watch?v=axle7olwx4I