本物の不良

 今週の「北米論」では「アメリカの音楽」3回シリーズの第1回をやります。第1回は「ブルースからジャズへ」、第2回は「R&Bからロックン・ロールへ」、そして第3回は「ソウルからヒップホップへ」と続けるつもりです。でも3回切れ目なしに音楽をやるのはあまり音楽に関心のない学生にとっては苦痛かも知れないので、ちょうど来週は学生の発表の1回目が間にはさまって好都合です。
 さてアメリカの黒人音楽の2大ルーツはゴスペルとブルースですがゴスペルのある曲は奴隷逃亡の暗号にもなっていると言うのは有名な話です。ゴスペルではなくスピリチャルであるという説もありますが。この区別はそんなに難しくはないのですが、重なっている部分もあり、それには今触れずに先へ。
 有名なのが"Steal Away"です。この歌詞は「イエス様のもとへそっと行く」と言う意味と、「そっと逃げていく」という意味とかけられていて、"Hush Harbor"(秘密の集合場所)でも歌われていたようです。ゴスペルの女王と呼ばれたマヘリア・ジャクソンの名唱がyoutubeでも聞く事ができます。
 そしてもう一つのルーツであるブルース。これは今風の音楽聞いてきた耳にはなんも古臭く聞こえて、ブラック・ミュージックに関心があるので、なんども挑戦してきたのですが、あまり好きになれない。しかしライトニン・ホプキンス、この人は別格。電気ギターが普及してきた後のR&Bの時代のギタリストですが、アコースティックでも音の作り、歌い方、サングラス、たばこ、すべてがいい意味での不良性があってクール(古いかな?)です。日本でも「ちょい悪おやじ」というふやけた事をいう一部マスコミがいますが、比較にならないくらい、本物の不良です。もう一人はジョン・リー・フッカー、これも如何わしさが何とも格好いい。さてライトニンの名曲"Mojo Hand"の動画と画像です。
 http://www.youtube.com/watch?v=k2NzfMAGYls