ポップ・アート

 4年生の卒業研究の最終発表が続いています。昨日は「ポップ・アート」について。ウォーホルとリキテンスタインの比較と言うか、芸術と非芸術のボーダーについての考察が面白い。漫画というポピュラー・カルチャーを素材に、細かい技術で印刷や複製に似せながら、作者手作りの絵として提出する。それはアートなのか、アートではないのか。
 観客に芸術そのものの定義や意味の見直しを迫るようなアート。それを学生は理解しつつ、なかなか他の学生が理解できる言葉にはできない。他の学生も質疑の中で、芸術/非芸術の境界、その意味について、じょじょに理解していく。そのプロセスがある種スリリングで面白かった。
 アメリカ文化って結局ポップ・アートなんだと思う。1920年代の大衆文化の始まりから、アメリカは多く人に分かり易い文化を作り続けて、それはアメリカだけでなく、世界の人にアメリカ文化を受容させ、アメリカが政治・経済そして軍事的に世界を支配してきた。それはモノの文化でもあり、そのモノが枯渇してきた今、人や精神のあり方が求められる。