メディアの役割

 今回の災害についてはコメントするのが難しいくらい、被害者の数も、物理的被害の規模も大きい。安全な所にいる人間がどのような事ができるかを考えないで、無責任な事を言うのは差し控えたい。
 ただマスコミの報道をみると一部なのかもしれないが、災害の復旧もしくは被害を食い止める作業にあたっている人たちへの糾弾の口調が気になる。メディアがすべきなのは、関係者・専門家から正確な情報を引き出し、被災者や国民に伝える事なので、被災者のまたは国民の代表のような口調で、ミスや不適切な対応を非難しない方がよりよい復旧の方向に進むことが出来るという事を自覚してほしいと思う。
 マスコミの役割は重要で重い。災害の現場で報道する人たちは危険を覚悟でその使命を果たしていると想像する。しかし記者会見の場では、今までもいろんな事件でそうであったように仮説的な正義の立場でものいうスタンスが多すぎた。芸能人のスキャンダルなら見苦しいがそれはそれでテレビを消せばすむが、今回のような事態において当局や専門家をいたずらに糾弾する事で自体がよくなるのか、何をメディアはしなければならないかをもう少し冷静になって考えてほしいと思いました。
 冷静に、寛容に、そして自分と世界を架橋する想像力を働かせて、被災者の救済と被災地の復旧に思いを致す、それしかできないけれど。