『亡霊としての歴史』を読む

 『亡霊としての歴史』(人文書院、2008年)の著者は札幌出身の太田好信さん。僕より2つ若い人類学者です。実は冒頭にロバート・ジョンソンについて触れていて、僕が「亡霊のアメリカ文学」の仲間に誘われた時、たとえばロバート・ジョンソンのようなアメリカの黒人音楽から亡霊について論じてはなどど示唆されました。その根拠はこの本にあったようです。
 「現在へと回帰する歴史の亡霊」と腰巻にありますが、時間論からもアプローチできるので自分の関心とさらに重なるような気もして。とりあえずコーマック・マッカーシーの『越境』を取り上げるという返事をしてあるのですが、ゴスペルあたりから亡霊を考えてもいいかななどと、決めるまでの時間を楽しもうと思っていますね。