作家の評価

 1週間ほど探していたナサニエル・ウェストの『イナゴの日』がほぼ目の前にありました。ずっと翻訳文庫だと思い込んでいたのですが、Miss Lonelyheartsと一緒になっている英語のペーパーバックでした。Miss Lonelyheartsの方は、筑摩世界文学大系87に丸谷才一の訳で、『イナゴの日』の方は角川から出た単行本が絶版のようですが、「復刊コム」で復刊を求める声もそれなりにあるような。
 ウェストについては、坪内祐三の『変死するアメリカ作家たち』(理想社、2007)でまあ詳しく触れられていて参考になります。フィッツジェラルドと前後して37歳で夭折した作家の生前の評価は高くなく、作家って本当に経済的にも、社会的にも大変だなと思います。死後にも評価されないよりはいいだろうけれど、どんな思いで作品を認められないまま死んで行くのだろうか。フィッツジェラルドのように一時寵児になった人のその後もつらいものがあるけれど。
 一種厳粛な?気持ちで、これから上記2作を読もうと思います。