娯楽版ハリウッド小説

 『いなごの日』、『ラスト・タイクーン』や『何がサミーを走らせのか?』のような文学的?なハリウッド小説の他にエンターテインメントのハリウッド小説もあります。
 エルモア・レナードの『ゲット・ショーティ』、『ビー・クール』やスチュアート・カミンスキーの『ロビンフッドに鉛の玉を』と『虹の彼方の殺人』などでしょうか。『ロビンフッドに鉛の玉を』ではエロール・フリンが、『虹の彼方の殺人』ではジュディ・ガーランド依頼人として登場してきます。それにゴア・ヴィダルの『マイラ』、マイケル・トルキーンの『ザ・プレーヤー』など映画になった中間的な作品群もあります。
 今回また古い家から持ってきたスチュアート・ウッズの『L.A.タイムズ』がハリウッド小説だった。『警察署長』、『風に乗って』、『湖底の家』、『草の根』など長尺のシリーズものや単発でもかなり読ませる作家の作品です。しかし、ニューヨークの映画好きの取り立てや(マフィアの下働き)がハリウッドでのし上がっていくというのは『ゲット・ショーティ』とほぼ同じ設定です。しかも『ゲット・ショーティ』が1990年、『L.A.タイムズ』の方は1993年というのも分が悪い。でも作品は面白いので困ってしまう。