奪い尽くされ、焼き尽くされ

昨日研究仲間の藤井光君から新訳『奪い尽くされ、焼き尽くされ』が届きました。37歳のカナダ生まれのアメリカ人ウェルズ・タワーの作品。原題はEverything Ravaged、Everything Burned.
 さっそく今日は3篇読みました。面白いですね。レイモンド・カーヴァ−を思わせるダーティ・リアリズムですね。しかも70〜80年代のカーヴァ−の時代よりもさらに荒廃(ravage)が進んだような人間関係が描かれていて。カーヴァ−でも夫婦や親子の離反が描かれるけれど、タワーの場合はそれが取り返しのつかない様な裏切りや無情さにまで至り、何か少しコミカルなノワールにも思えてきました。