ヘル・レイザー

 これは"hellraiser"、問題を起こす人、酒乱の事で、購入した本のタイトルです。
 『キネマ旬報』で鬼塚大輔さんが挙げていたのが面白そうでアマゾンで買いました。作者のRobert Sellersには同様の本が他にもあるようですが、本書はイギリスの酒飲み俳優列伝です。メンバーはリチャード・バートンリチャード・ハリスピーター・オトゥールオリヴァー・リードという錚々たる俳優たちです。
 中に入っている写真を見ても、その面構え、グラスの持ち方、飲みっぷり、素晴らしいです。アメリカにもいますが、あそこはドラッグもあって、純粋な酒飲みは少ないように思える。麻薬を排して酒だけというのは、イギリスの俳優に多い。
 この中で一番知名度が日本では低いと思われるオリヴァー・リード。ロレンスの『恋する女たち』ではアラン・ベイツとフル・ヌードのレスリングをしていました。1971年『肉体の悪魔』、1975年『Tommy トミー』、1973年『三銃士』、1974年『四銃士』で演じたアトス役は当たり役となる。
 最後がすごいです。1999年リドリー・スコット監督の『グラディエーター』に出演しますが、ロケ先のマルタ島の酒場でラム酒3本を空にし、水夫相手の腕相撲で5人を打ち負かしたあげくの心臓発作を起こしたそうです。これは真似したくても不可能な超人的酒飲みですね。
 写真は酒場での若き日の雄姿。両手にグラスという酒飲みのお手本ですね。