女流監督

 今日届いた『キネマ旬報』を読み流していると二人の女流監督の記事が目にとまった。一人は初めて知ったレベッカ・ミラー。何とアーサー・ミラーの娘で、ダニエル・デイ=ルイスの奥さん。アーサー・ミラーの『クルーシブル』でデイ=ルイスが主演した時の縁でしょうね。元女優で作家でもあるらしく自分が書いた『50歳の恋愛白書』の監督も。美人で小説と監督の2足のわらじという意味では、『ゆれる』の西川美和もそうか。『ゆれる』は小説も読みました。原作でも映画のノベライズでもなく、でもかなりちゃんとした書き手でした。
 ついでにデイ=ルイスのお父さんはセシル・デイ=ルイスというイギリスの桂冠詩人で、ニコラス・ブレイクという別名で『野獣死すべし』を書いています。因みに桂冠詩人とは王室の慶弔に際して詩を読む言わば公的な名誉職的な詩人で、過去に有名な詩人としてはテニソンやワーズワースがいます。
 もう一人の監督はキャサリン・ビグローで、テロを扱った『ハート・ロッカー』がアカデミー賞作品賞公費に上っています。長身・美形のビグローが監督をした『ハート・ブルー』と『ブルー・スティール』が印象に残っている。『ハート・ブルー』はサーファー=連続銀行強盗を追うFBIの話だが、サーフィンの場面での波をフェティッシュに撮った映像が忘れ難い。一方、女性警官が主人公の『ブルー・スティール』ではリボルバーの蒼い鉄(ブルー・スティール)の耽美的な映像が。因みにビグローの元夫ジェームズ・キャメロンの『アバター』の作品賞候補です。
 写真はレベッカ・ミラー。絵にかいたような才色兼備。